ベンチャー企業

スタートアップへの転職に際しての年収問題について考える

スタートアップに参画する際に年収がネックになる人も多いだろう。

現在の年収を大幅にダウンして、新しいチャレンジをしていこうと考えている人にとっては、生活水準を下げて、仕事に打ち込むのは厳しいものになるかもしれない。

今回は、スタートアップに転職する際に、「年収」に関してどのように考え、転職後にどのように上げていけばいいかを考えていきたい。ターゲットはスタートアップに転職を検討しようとしている人だ。

スタートアップの定義

本文で述べるスタートアップとは、急成長を目指しており、売上がほとんどない、もしくは赤字の状態で、外部の投資家から株式による資金調達によって拡大を目指している会社と定義する。

そして、創業5年以内の会社をここでは考えたい。社員は20人未満の会社とする。こうした会社はwantedlyを見ているとよく見かけるはずだ。

20代前半の若者から、30代前半の社会人経験のある人が設立した会社であることが多い。

「世の中を変える」ことを志向して日々がんばっている。

スタートアップの年収はいくらが適性なのか

スタートアップに転職する際に年収の相談を受けるが、適正価格などは存在しないと思っておこう。資金調達をシードで行う場合について考えていただきたい。

本記事におけるシードとは、日本国内のベンチャー企業が、数百万円から数千万円の資金調達を外部のエンジェル投資家やシードに特化しているベンチャーキャピタルから行うものを指す。

調達したお金を、役員報酬にいきなり使ってはどのように思うだろうか。

役員報酬を変更して給料に消えていったら、投資家としては、私利私欲のために走る起業家だと思わざるを得ない。

ある程度軌道に乗るまで役員報酬の変更は基本的にはない

では、役員報酬の相場はいくらなのだろうか。

一般的だが、学生起業や20代前半から中盤の起業家は20万円程度、20代後半になってくると30万円程度、家族を持っていると、30万円を超えてもう少しもらうというパターンがあるが、これは会社の状況によりけりなのでCEOの考え方次第といっても過言ではない。

設立時は基本的に外部の投資家はいないため、給料はCEOが決める。

経営者の価値観

役員報酬に関しては、お金は最低限の生活さえできる金さえあれば問題ないという人がほとんどだ。この言葉には偽りはない。

ただし、考えてほしい。この言葉は、東京に実家やローン払い済みの持ち家がある場合、生活コストは劇的に下がるので、「俺の給料は10万円でいい」という意味かもしれない。

オフィスを東京に構える場合、東京都心に住むことになることが多く、実家が東京にない人にとっては、家賃は大きく負担になる。

安いボロ家でも6万円はするだろうし、それだけで年間70万円のコストが発生する。

経営者が置かれている状況は千差万別で、多くのCEOは実家が金持ちであることが多いのだが、こうした背景を知らずに、「あの社長は少ない給料でがんばっている」と思わないほうがいい

お金ないアピールをしているCEOの実家は金持ちで、困ったら実家がセーフティネットになっている事例をいくつも知っている。

創業メンバー以外の年収は要検討

さて、こうした起業家側の事情をここまで説明させていただいたが、転職者の事情について説明させていただく。

転職者とは、創業メンバー、つまり、最初の取締役の次に転職してくるメンバーのことだ。

彼らの年収はよく議論になる。創業メンバーが20~30万円でやっているが、いわゆる社員第一号に関しても同等の額、もしくはそれ以上の額が設定される

スタートアップで社員を雇うのは、保険料や給与支払いに関する手続きをはじめ、CEOに大きく負担がかかる。

創業期に、社長がエンジニアでないスタートアップにCOOを入れるのはコスト的に重たいので、CEOがこうした社員を入れた際の手続きをする。

社労士に投げるにしてもコストがかかる。

資金問題が常についてまわるスタートアップにとって、社員を雇うことは見た目以上に大変なのである。

さて、20~30万円の月収で優秀な人を採用するのは想像する通り厳しいだろう。

創業メンバーは「世界を変える」ことへの熱量が非常に高いのだが、社員として入ってきた人は給料も欲しいので、20~30万円の給料で働くことは割と大変である。

新卒1,2年目の若い20代前半の若者なら採用できるが、それ以上のシニアでスキルのある人はなかなか採用できない。

CEOは、転職してくる若い人を、彼ら自身に成長してもらうことを期待して採用している。

年収を大幅に上げて採用して、社員のほうが経営陣より年収が高いこともよくある。

高い年収を出してでも、成果を出して力を貸してほしいと思い、そしてそれを実行できる経営者はなかなか優秀である。

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リターンは仕事で報われること

スタートアップに転職した場合、年収面で報われることは確率的にかなり低い

創業メンバーやそれに近しい人は、お金じゃなくても働いてくれるとCEOは錯覚してしまうので給料が出ず、創業メンバーが競合に引き抜かれるということはよくある。

よって、転職していく人は、やっている仕事に満足感を得ないと厳しい仕事が続かない。

スタートアップの仕事は、事務手続きをはじめ非常に苦労することが多い。お金がないためあらゆる作業を自分でやることもしばしばだ。

オフィス移転だって、法人契約をしてオフィス利用できるところを探して引っ越し業者を手配してとなると、非常に大変な作業だ。

こうしたプロダクト開発以外の「仕事」にも楽しみを覚え、会社が大きくなる過程を楽しめない人にとっては、スタートアップはただの低賃金労働になってしまいかねない。

スタートアップで働く場合は、主体性が失われては終わりなので、常に前向きな姿勢を持てる人だけが生き残れる

ストックオプション

ストックオプションを最初に提示されるだろうが、上場する確率なんてわからないし、最近は買収されることのほうが多くなってきた。

買収された場合はストックオプションはごみに等しいので気を付けよう。

ストックオプションで一発あてたという一般社員はほとんどいないのが実情である

アメリカと違ってどうしても時価総額が小さい状況でマザーズに上場するベンチャーが多い。

2018年に上場したZUUという会社は時価総額30億円程度で、ストックオプションによって0.01%の株を保有している社員が比較的多くいたが、0.01%では、30万円にしかならない。

同社は20年後に100兆円の時価総額を目指しているため、20年後まで株を保有していたら、0.01%の持ち分でも大幅な資産形成に寄与する。

だが、短期的な視点では、ストックオプションは大した現金にならないことを覚えておいてほしい。

それでもスタートアップに行くべきか

お金に困窮しておらず、貯金がある程度あるか、最悪実家からの支援が得られる場合で、かつ将来的には起業やベンチャーでCOOを目指している人にとっては、スタートアップの経験は何物にも代えがたい。

こうした苦しい経験を評価してくれる投資家や経営者は多くいるため、どこかが将来的には拾ってくれると考えてよい。

ただし、それまでに生活資金が底をつき、節約に頭をめぐらせるようなことがあれば、仕事を通しての成長を阻害されることになる。

会社経営における節約はコスト削減につながり経営効率をアップさせるが、自分自身の生活は時間だけ使うわりに、節約できる額は数千、数万円の世界なので、入ってくる収入が増えない限りあまり意味はない。

スタートアップに転職するときは、状況を判断して飛び込んでほしい

スタートアップを探すための方法

スタートアップを探すための方法だが、Wantedlyを眺めて面白そうなところを探そう。

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