年代別アドバイス

理系大学生の就活

理系大学生の就職活動の情報は文系の就活に比べてあまり出回っていない。

今回は、理系院生が研究と並行してどうやって就活の成果を出していけばいいか、実際に就活を経験した理系院卒の方に寄稿していただいた。理系の院生、また学部生も参考になる点が多いのでぜひ参考にしてほしい。

就活と研究の両立は難しい

「学生時代に力を入れたことはなんですか?」「弊社を志望した理由は?」「学業以外に力を入れたことは?」
悩ましい質問の数々にやる気を維持するのが難しいエントリーシート。

応募した企業ごとに好ましい文面を考え、時間をかけて推敲し、丁寧に書いたところで無慈悲に落とされるのが就活である。

人によっては30〜40社以上もESを書くというのだから、相当な時間と労力を要する作業となる。

数打ちゃ当たるとは言っても、研究に忙しい理系大学院生の一番のネックとなるのは、「時間の確保」であることは間違いない。

今回は研究に熱心に取り組んできた学生に向けて、自分の経験を交えて就活についてのアドバイスをしようと思う。少しでも参考になれば幸いである。

大学院生は就活で学部卒よりも有利なのか

結論は、「専門性を活かせる職種ならば、圧倒的に大学院生は有利」である。

私は中堅国立大学の理系大学院出身だが、身の回りの先輩・同期ともに専門性を活かせる研究職or開発職のメーカーであれば、業界最大手の企業にもすんなりと内定を取っていた。

逆に、学部卒で就活していた方は、文系と同じくらい多くの企業にエントリーして、やっと内定という方が多かった印象だ。

しかし注意していただきたいのは、大学院で習得した専門性にこだわって企業選びをしない方が良いということだ。

5年間学んできた専門性を活かせるに越したことはないが、必ずしもその専門性に縛られて欲しくはない。

例えば、理系大学生の強みとして「論理的思考力」が挙げられるが、その力を活かせる外資系コンサルティングファームや金融といった業界では、理系の就職者が増えていると言われている。

スティーブ・ジョブズの言葉に「点と点をつなぐ」という言葉があり、点と点をつなげることに対して、スピーチでジョブズは次のように言っている。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。
You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

(引用: 「ハングリーであれ。愚か者であれ」  ジョブズ氏スピーチ全訳|日本経済新聞)

この言葉にあるように、一見自分が専攻してきた学問と関係がないように見えるものでも、将来的に点と点が繋がり新たな価値を生み出すアイデアが出てくるかもしれない

私自身、大学院では光源開発というハードウェアの研究をしていたが、就職活動ではAI(ソフトウェア)の研究がしたいというプレゼンでも見事内定を頂くことができた。

この時感じたのは、研究”内容”よりも、研究に取り組む”姿勢や熱意”が重要であるということだ。

専門と違うことがしたいということで、面接官の方から「どれくらいの熱量でしたいと思っているのか?」「今やっている研究に未練はないか?」などを聞かれましたが、自分が就活をする際に軸にしていたこと、さらにはユーザーに近い立場での研究を行うことで、今以上に頑張れるということを伝えると、面接官の方にも納得していただけた。

専門外の職業に就きたいときは、「なんで専門と違うことがしたいのか」「その専門を専攻した人たちと比較した時に、自分を採用することにどういったメリットがあるのか」を誰が聞いても納得ができるくらい自己分析していれば、その個性はきっと強みに変わるはずだ。

研究活動と就職活動の両立

大学院生の主な活動は「研究」である。

理系院生の場合は、実験やアルバイトなどがあると、就活だけに専念できる時間を作りにくいのも現実だ。

研究については、まとまった時間が必要となるため、「朝の時間を有効活用することや、すきま時間を利用して就職活動する」ことが必要となってくる。

また、理系学部生や文系学生は何十社も受ける方が多いが、大学院生の場合は厳選して就活をする人が多い印象である。

いつから本格的に始める?

そう思い立った時から「すぐに」始めるべきだ。ただ、興味がある企業の概要と締め切りを把握する程度で良い。その理由は2つある。それは

1. あくまで研究活動が第一で、「二兎を追う者は一兎をも得ず」の状態になり兼ねない
2. とは言っても外資企業などの締め切りは、早いもので5~6月に締め切る企業もある

という2つです。

行きたい企業の締め切りというゴールを先に把握し、そこから無理のない範囲で逆算して行うべきことを計画していくことが重要となる。

推薦は使うべき?

在籍する大学に希望就職先の推薦があるなら、「使うべき」である。ただ、メリットもある反面デメリットもあるので以下にまとめた。

学校推薦のメリット

・企業側の求める学生の条件に対し推薦に値すると判断されると、他の学生よりも優先的に選考される

・面接の回数を減らすことができることが多いので、上手くいけば最短で採用に至ることができる

・先出し推薦の場合は、選考よりも先に推薦状を提出するため、合格率が高く最短で内定を得ることができる

・後出し推薦(ジョブマッチング)は、選考後に推薦状を提出するため、先出し推薦と違って他企業と並行して選考を受けることが可能、また、内定までの選考が自由応募よりも早い段階で終わる

学校推薦のデメリット

・学校推薦は採用に繋がりやすい反面、基本的に「内定を辞退できない」

企業と学校の結び付きを強固にする学校推薦において、内定を辞退することは後輩に迷惑をかけることに繋がる。

そのため、推薦を受ける企業は基本、「第1志望」であることが絶対条件だ。

大学院生が行うべき就活の手順

手順① 自己分析

自己分析とは『過去の出来事に対する自分の考え・行動をとにかく紙に書き出すこと』である。

つまり、過去の出来事を整理して、その出来事に対する自分の考えをアウトプットする作業のことだ。

過去の自分の行動に対して、「なんで?」「どうして?」を突き詰めることで、自分が大事にしてきたこと、信念をはっきりさせる必要がある。

よって自己分析は、とにかく手と頭を動かすこと、そして、自分の人生の軸としていることを明確化させることが重要となることをご理解いただきたい。

手順② 企業選び

自己分析を経てわかった自分の軸を基に、「職種(営業・研究・事務・企画etc.)、残業時間、安定かスキルアップか、給料、人」などの選択軸をはっきりとさせる。

そして、これらの選択軸を中心に、企業選びをしていく。

手順③ SPI・テストセンターの勉強

次に、SPIやテストセンター、各Webテストの勉強について説明する。

SPIやテストセンターは最低限の学力があるのかどうかを判断するテストであり、ここを突破しないことには面接を受けることができない。

そのため、理系と言えど侮らずに、SPIやテストセンターの問題集を用いて解き慣れておくことが重要だ。

手順④ エントリーシート

理系であれば、エントリーシートで「卒業論文や修士論文に向けて現在取り組んでいるテーマの概要と、それを研究することの意義について説明してください。」といった問いが出され、300~500文字程度で書くことが必ず求められる。

そのため、本選考よりも前の段階で(できればES有りのインターンに参加することで)書いておくことをおすすめする。

もし、研究で思うように成果を出せていなかったとしても、「自分が取り組んでいる研究の意義(どういう風に社会に役立つのか)」、「どういったことに苦労していて結果が出ていないのか」を文系の方が話を聞いても伝わるレベルまで噛み砕いて、しっかりと話せるようにしておけば問題ないだろう。

また、多くの企業では「学業以外に頑張ったこと」も書くことを求められる。そこでは、サークルやアルバイト、部活動などの課外活動での経験を書こう。

自分の個性をアピールでき、企業が求める人物像にマッチしたエピソードを準備しておくと、あなたはきっと魅力的な人材に映るはずだ。

手順⑤ 面接対策

面接では、研究を含めたあなた自身の取り組みについての「なぜ・なに」が深掘りされると思うので、できるだけ「具体的で共感が得られる」エピソードを話す準備をしよう。

面接は書く作業とは違い、その場での振る舞いが試される場でもあるので、友人や大学の就職支援センターなどを活用することで、実際に話す練習を必ず事前に行っておこう。

また、研究室に所属する学生が最も気になることとして、就活の時間が十分に確保できるかということが挙げられる。

これは、次の3つのポイントに気をつけることで、就活したいのにできない!という状況を免れるはずだ。

1. 配属以前に、研究室見学のタイミングで先輩に実際に聞いてみること
2. 教授にも講演などの都合があるので、事前に就活をするという意思を伝えておくこと
3. 授業の単位は、比較的時間に余裕があるM1の段階で取り切っておくこと

この3つのポイントを事前に意識しておくことで、後悔のない就職活動が行えるはずだ。

まとめ

研究を熱心に取り組んでいる学生にとって、就活はきっと重荷になることでしょう。

しかし、自分を見つめ直す良い機会でもあると思うので、自己分析を通じて「自分に合った企業を的確に選び、選考すること」で効率的に動くことを意識しよう。

そうすることで、むやみやたらにエントリーし、時間を浪費して落ちてしまうといったことを避けられるはずだ。

そして、一つのことに熱心に取り組んできた経験は、きっと就活でも大きな強みとなるはずだ。

この記事を読んでくださった皆さんが、納得のいく進路を見つけられることを心から願っている。

編集後記

いかがだっただろうか。普段は、転職や社会人のキャリアについての情報が多い当ブログだが、今回は、これから就活する大学生、院生に読んでいただきたい内容を扱った。

冒頭でも触れたように、現在は、コンサルや投資銀行などの「論理的思考力」を必要とする業界で活躍している理系出身の方も増えてきている。

理系学生、院生の方は、自分の専門分野に縛られるのではなく、様々な可能性を精査したうえで自身のキャリアを選択していただきたい。

もちろん、社会人の方が今からでもキャリアを変更することは可能である。ビズリーチに登録して、転職エージェントに会ってほしい。

ビズリーチには優秀な転職エージェントが数多く在籍しているので、あなたに合ったエージェントが間違いなく見つかる。

また、当ブログでも、キャリアや転職、就活についての相談は随時受け付けているので遠慮なくDMを送って欲しい。あなたのキャリアを少しでも良いものにできるように力添え出来れば光栄だ。