企業形態別アドバイス

大手広告代理店(電通、博報堂)への転職について

大手広告代理店へ転職したい人は現在は多くないと思うかもしれない。

しかし、元々給与水準が高かった電通の職場環境が改善されたように見える昨今においては、実際は、転職したい人は多い。

なぜならば、電通、博報堂より下の規模の広告代理店の環境はもっと厳しいので、より給料も、環境も良さそうに見える大手広告代理店への転職は憧れの対象となっているからだ。

そこで、広告代理店への転職について異業界からの転職も含めて語っていきたい。

大手広告代理店=電通、博報堂

大手広告代理店と書くと、電通か博報堂のことを指す

大手の定義は業界によってあいまいだが、日本の広告業界を牛耳っているのはこの二社であることは間違いないのでこの二社メインの話をしていくことにする。

特に電通は、投資や買収を行うことで海外進出も積極的に進めようとしている

世界で覇権を取ろうと試みているが、世界で戦うマインドを持った優れた人が電通にはほとんどいないので海外進出の難しさはあるだろう。

また、大手広告代理店は、就職活動時は三井物産、三菱商事ら大手総合商社とならび非常に人気の企業だ。

電通、博報堂はコネ入社を除いてもそれなりの枠があるが人気が殺到してるため、面接を突破し内定を勝ち取るのは容易なことではない。

そんな大手広告代理店にどのようにして中途入社するのかを追っていきたい。

大手広告代理店のビジネスへの危機

大手広告代理店は、総合商社と同様に中抜きビジネスを展開していた。

実際に、大手広告代理店は、テレビ局からTVCMの広告枠を貰っている。

例えば、フジテレビが月9ドラマを制作しようとすると制作費がかかる。

その製作費をまかなうために、テレビ局は広告枠を広告代理店に販売する。

多くの視聴者に見てもらい、ドラマの間にCMを流せば、企業の商品をPRすることができるので、メーカー等の企業はCMを流すために広告枠を広告代理店から購入する。

広告枠のやりとりをできる企業は限られているため、電通や博報堂は存在感を示す。

販売する広告枠の説明については省略するが、フジテレビの月9のテレビCMの広告枠を扱うことができれば、代理店としては存在感が出せることは言うまでもない。

よってテレビ局に接待に接待を重ね、なんとか広告枠を獲得するのである。

この辺は、総合商社が海外から石油や銅鉱石を輸入し、国内の業者に販売するところにビジネスの構造上は似ている。

総合商社は輸入業から自社でビジネスを展開したり、投資ビジネスを始めたりしていることは総合商社の就職活動をしていなくても知っていることだろう。

これと同じ流れが広告代理店でも起こってきている

大手広告代理店の付加価値のライバル企業が出現

大手広告代理店に関しては、これまで独占的なビジネスを展開できていたのは、消費者にリーチする手段がテレビCM一辺倒だったからだ。

現在でも基本的には大手広告代理店、しかもマッキャンエリクソン等を除くとテレビCM枠の買い付けビジネスに参入できるのは国内の大手広告代理店だけであった。

メディアバイイング機能だけで成り立っていた時代が変わってきたのは、デジタルの登場だ。

大手企業はテレビCMだけでなくデジタル上で広告を流し始めた。

テレビを見ない若者はPCでYoutubeを見たり、スマートフォンで、好きなWEBサイトやYahoo!のようなニュースサイトで情報を得るようになり、若者向けの広告はデジタル上で出した方がいいのではという流れがでてきた。

言わずと知れた世界的な大企業となったGoogle社は検索連動型広告と呼ばれる、自分が調べたいものに関連した広告が表示されることで、ユーザーのクリックを通して収益を得る構造になってきた。

ビジネスの変化に追いつくためには、Googleに対して電通や博報堂は勝負を挑まなければならなくなったのである。

厳密には、Google等のプラットフォームを扱うことを含めたトータルのマーケティング戦略に関わることで、広告代理店は付加価値を出すことができる。

では、デジタル上で付加価値を出せばいいかというと簡単な話ではない。

最近では、テレビCMに比べると大きくないものの、比較的大きなデジタル市場を目がけて大手コンサルティング会社が参入してきた

IMJを買収してきたアクセンチュアはデジタル広告、デジタルマーケティングと企業のデジタルマーケティング戦略に食い込んでこようとしている。

アクセンチュアは元は経営コンサルティングを行う会社だが、経営者からデジタルを活用した企業のマーケティングおよび経営戦略について相談を受けるようになり、自社でもできるようにしようとしたのが現在のアクセンチュアのデジタルシフトの流れだ。

その結果、アクセンチュアは従来の戦略、経営コンサル、テクノロジーコンサル、業務コンサルといった領域に加え、デジタルコンサルという職種も作り出した。

IBMやデロイト、PwC、BCGといった企業もコンサルティングに加えてデジタルコンサルも行うことができるような体制を整えている。

コンサル以外にも狙う企業が

デジタル広告を扱うために、経営コンサルタントとして食い込んだコンサルティング会社、テレビ広告を扱っていた広告代理店がそれぞれデジタルもうちで取り扱わせてくださいという形になっているが、必ずしもこの2プレイヤーだけがビジネスで競合しているわけではない。

例えば、印刷会社も広告代理店の競合になってきている。

さて、印刷会社と聞くと、「?」が浮かんだ人も多いだろう。印刷業界は市場が縮小してイノベーションが起きていないイメージも強いだろう。

印刷業界も生き残りをかけて、一部ではあるが企業のマーケティング戦略に関わっていこうと試みている

印刷会社はメーカーに頼まれ、小売店や、メーカーが直営する店舗の装飾や使用する道具を制作していた。

その製作費はデザイン料も含めて莫大な料金になる。

印刷会社も、もっとコンセプト設計の段階から関わりたいということで、従来広告代理店とメーカーがやっていた領域に食い込もうと必死だ。

デジタルサイネージは最近はトレンドではないものの、デジタルサイネージの技術を取り扱う印刷会社は、うちが店舗に必要な制作物を作った際に、デジタルサイネージの道具も取り入れてみませんか?新しいマーケティングチャネルですよという形でアピールしてくるのだ。

デジタルサイネージで考えると、店に訪れた際に、電子デバイス上で広告を流すのと、Yahoo!で広告を流すのとで比較検討されるので、コンサル会社や代理店がクライアントの広告費の奪い合いで競合してくる。

こうした文脈を踏まえたうえで、大手広告代理店への転職事情について見ていこう。

業界3位以下の広告代理店から電通、博報堂への転職

従来は業界3位以下の企業からの大手広告代理店の子会社への転職が多かったが、最近は大手広告代理店本体への転職も増えてきている

ADKをはじめ、広告業界で専門的知識を積んできて、たまたま電通や博報堂にその領域の専門知識がない人がいた場合、転職を簡単に受け入れる。

最近だとデジタル専門の知識があると、大手広告代理店も欲しがっているので、転職のチャンスである。

また、大手広告代理店は大手クライアントばかりなので、大手企業の担当を業界3位以下の企業で担当していた場合、大手企業へ転職しやすい。

また、広告代理店はまだまだブラックな働き方が蔓延しているため、耐性も判断材料の一つとして見られる

広告代理店間の転職については、ある程度広告業界にいたら分かると思うのでこれ以上の言及は止めておく。

次に、異業種転職について見ていこう

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異業種転職はチャンス

一時期であるが、サイバーエージェント等のインターネット広告代理店から電通、博報堂をはじめとする大手広告代理店への転職は容易だった。

特に新卒時、電通や博報堂に行きたかったものの届かずサイバーエージェントに就職した人たちにとっては都合の良い環境だった。

デジタル広告について会話ができる人が大手広告代理店にはいなかったので重宝されたからだ。

大手広告代理店のダメなところは、クライアントのところに5人も6人もぞろぞろ引き連れていくところである。

しかし、そのおかげでデジタルの専門家枠が設けられるので、サイバーエージェント出身者が座る席があった。

一方、現在ではコンサルティング会社からの転職がチャンスだ。

博報堂はアクセンチュア出身者も数人受け入れ始め、コンサル出身者がクライアントのデジタル戦略について練り始めた。

ストプラ、営業といった領域に関係なくコンサル出身者の頭脳を欲しがっているのである。

電通もかつては本体採用ではなく、電通デジタルのようなところで受け皿を作っており、電通デジタルからの出向という形式で採用していたが(デジタルのプロフェッショナルはいないに等しいと中の人が嘆いていた)、現在は電通本体で採用している。

戦略的思考ができるコンサルタントと、デジタルに強いインターネット広告代理店関連の人たちは大手広告代理店に転職するチャンスなので検討してほしい。

大手広告代理店はそれでも日系体質

言うまでもないが、まだまだ日系の大手広告代理店は体育会気質で年功序列であり、悪い点が多く残っているので、実力主義の外資系や、若手でもマネージャーになれるネット系広告代理店から来た人には合わないかもしれない。

カルチャーが合わず結局退職する人も多い。

特に女性で転職する人が数年前増えた印象だったが、結局のところ定着率が悪かったように感じられた。

転職する際は、広告代理店に関してはリスクを精査してほしい。

大手広告代理店に転職するために

転職に関しては大手広告代理店に勤務する友人がいたら彼らに相談してほしい。

社内にどのポジションがあり、自分なら何ができそうかといった点を聞こう。

またビズリーチに登録して、広告業界の転職エージェントに会おう。

数は決して多くはないが大手とパイプがある人を的確に探してほしい。広告業界の転職エージェントであるマスメディアンも使えるので業界初心者は一度使ってほしい。