転職活動全般

「コンサルタントは上司に気に入られてなんぼの世界」シャイニング丸の内氏インタビュー:前編

Twitterで、ビジネスに関する知見や意見を発信しているアカウントとして人気を博しているシャイニング丸の内氏

今回は、アクセンチュア内定者がシャイニング丸の内氏に、電話での取材を実施したものを、本人にご了承の上、寄稿していただいた。

コンサルで身につくスキル、コンサルタントから独立するにあたって必要なスキルや働き方について迫った。

前編では、主に、コンサルタントとしてのキャリアについて伺った。

コンサルタント志望の方、またコンサルティングファームから転職をお考えの方はぜひご覧いただきたい。

コンサルティングファームは社内資料が豊富

-アクセンチュア内定者です。本日はよろしくお願いします。主にコンサルについてのお話を聞かせてください。

まず、コンサルタント時代に身についたスキルを教えてください。

資料作成能力とハードワークですね。

あとはモデリングスキルです。

エクセルのショートカットなどを使いこなして素早くアウトプットを出すというよりも、ビジネスを定量化してシミュレーション可能な状態にするということは大きな学びであったと思います。

-資料作成能力はどこで学びましたか。

私が入社したときは、一通り研修で学びました。

コンサルティングファームがクライアントに出しているパワポの資料って外には出ていないので、入社してみないと学ぶことができません。

優秀な上司から資料の作り方等を一から叩き込まれながら、悶々としていた時期もありました。

たまに、コンサルティングファームが公開している資料がありますが、世の中に出ているものはファクトブックであり、通常のクライアントに提案する資料としての意味合いは薄くなっています。

最近はショートカットの本も世の中に出ていますが、私がコンサルタントをしていたときは、そういった本で信頼度が高いものはあまりなかったように記憶しております。

ショートカットの類も社内資料にまとめられていたので、資料を通して学びました。

コンサルタントに求められる価値は変わってきている

-コンサルティングファームで得られる知識は、最近だと、MBAの勉強とか本で学べるように感じているので、コンサルタントに求められる価値も変わってきていると思うのですが、いかがでしょうか。

まさに、以前、コンサルが価値として扱っていた知識的なものは、MBAの勉強や本で学べるようになってきています。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)のフレームワークだけを、BCGがクライアントへのアウトプットとして提供しても、価値にはならないはずです。

現在は、高度な専門性や、作業工数のかかる実行部分といったところで、価値を出さないといけません。

コンサルティングファームは事業会社に比べて、ハードワークができ、作業量をまかなえるといった点で特に重宝されています。

世の中で言われている通り、純粋な戦略案件の比率は減ってきていて、求められている価値は変わってきています。コンセプト部分だけでなく、実行支援まで出来ないと選ばれるファームで有り続けるのは難しくなってきているように感じますね。

例えば、世界のデジタル広告市場を見ても、電通のような広告代理店がかつては市場を押さえていましたが、現在では、アクセンチュアやIBM、PwCといったコンサルティングファームが上位を占めるようになってきています。

-では、コンサルタントは、具体的にどのような付加価値を提供しているのでしょうか。

例えば、御社にはこういうデータがあって、この分野に注力して、○○といった企業に対して製品を販売していきましょう、と提案していくことです。

そして、昨今は、提案だけでなく、実行までパッケージにしてコンサルティングサービスとして提供していかなければいけません。

コンサルタントの思考法みたいな本が大量に出ていますが、大抵内容が薄く、ああいうのでは、コンサルタントとしての思考方法は学ぶことができません。

本でビジネスを勉強する際は、BCG、アクセンチュア出身の三谷さんの『ビジネスモデル全史』がおすすめです。

事業会社とコンサルティングファームではコンサルタントに求める仕事は違うことが多い

-コンサルティングファームを入れるメリットは何でしょうか。コンサルタントが事業会社の経営企画に転職すれば、コンサルティングファームに頼る必要もない気がしています。

確かにそれはありますね。

ただ、コンサルタントで優秀な人が事業会社に転職したからといって、戦略を考える仕事に専念することは難しいです。

事業会社に転職すると、優秀な人でもオペレーション側に埋まってしまい、戦略コンサルタントが行う役割を実行することができなくなります。

事業会社で働く人に求められるのは、オペレーションを行うことである場合が多いですので。

その結果、労働環境等の影響もあり、最終的にコンサルティングファームに依頼することになるケースが多いです。

優秀な人の稼働率を100%から120%にして、もっと働かせるわけにはいかないでしょうし。

また、コンサルタントが転職している事業会社は、超大手・外資系を除けば、全体でみるとかなり少ないです。

受け入れる側である日本企業の多くは、給与テーブルが入社年次で決まっています。

戦略コンサルで年収1000万円以上もらっている20代後半の人が事業会社に転職しようとしても、他の同じ年齢の人に合わせて年収600万円を提示されたら転職しませんよね。

転職先自体は選ばなければありますが、待遇、働き方といった面が充実していないため、一部の事業会社に集中するというのが実情です。

例外的に、家族の都合によって地方で暮らさざるを得ないような場合、コンサルタントから事業会社へ、安い年俸を受け入れ転職する場合はあります。

また、あまり優秀ではないコンサルタントが、昇進できずにいまいちコンサルとしての先が見えないから、事業会社ならコンサルに比べて楽かなあといった感じで転職していくケースは、割とあるように思います。

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コンサルタントは上司に気に入られてなんぼ!?

-コンサルティング業界で、優秀な人と、そうでない人を分けるものはなんでしょうか。

スーパーアナリストで、言われたことを忠実に実行する、エクセルやパワーポイントがすごいだけの人は、一定以上のポジションになると活躍できなくなります。

年次が上がっていくと、資料作成ではなく案件獲得が仕事になっていきます。

コンサルで出世している人はロジカルモンスターばかりと勘違いされていますが、そんなことはありません。

一定上のポジションになると、「キャバ嬢力」が大事になってきます。

独立して経営コンサルティングの仕事をしていますが、案件獲得のためには気に入られてなんぼだと思うんですよね。

起業家だって、資金を調達するために、投資家に気に入られる必要があるじゃないですか。

だから、ある程度は、演じることも大事です。(というか資金調達の殆どの成功ケースはメディア露出含めたCEO演技力に依存しているような感覚さえもある)

好かれるコンサルタントを演じるのは精神的にしんどいときもあります。

-気に入られることは重要だと思います。しかし、コンサルタントは、経営陣に、ガツンと耳の痛いことも言わないといけない印象を持っているのですが、その辺りはいかがでしょうか。

ある程度はクライアントに対しても言う時は言わないといけません。

ただし、コスト削減やオペレーション改善のプロジェクトにおいて、変わるのは現場です。

ですので、現場に対しては強く言いつつも、経営陣に対してはコミュニケーションをソフトにする工夫をしています。

The client(実際の発注者、対面者とは異なる)を常に意識して臨むことが大切だと思います。

-コンサルタントは、上司が誰になるか次第で、プロジェクト内の命運が大きく変わってくると言われます。良い上司を選ぶにはどうしたらよいでしょうか。

新卒でも中途でも最初に入るプロジェクトは選べないと言われていますが、そんなことはありません。

上司に気に入られてなんぼの世界なので、「良いはしご」をつかむべきです。

具体的には、成長しているパートナーに気に入られて、彼/彼女らが担当するプロジェクトに入れてもらうことです。

成長しているパートナーも、成長するための燃料が必要ですので、推進力となる燃料に、あなたがなればよいですね。

-成長しているとは売上のことでしょうか。

そうです、売上です。

成長のためには面倒見のいい上司につくことが大事

-成長しているとはどうやって判断すべきですか。定量的に情報を確認できるのでしょうか。

社内で各パートナーの売上を見ることはできないですが、狭い世界ですので、評判はまわってきます。

「あのパートナーは成長している」「あっちのパートナーはどうやらもうダメっぽい」という情報がまわってくるので、成長しているパートナーを見つけることが大事です。

また、良い上司は、売上が伸びているというだけでなく、自分のことを出世させてくれます。そんな良い上司を見つけることも大事です。

親分肌で、よく面倒を見てくれる上司のはしごを掴み取ることも大事です。

-なるほど。若手だからといってあまり色々なプロジェクトを見つけるわけではなく、どこかの上司に仕えることが重要そうですね。

コンサルのメリットとして、様々な業界を見ることができるというものがありますが、出世というものを考えたときに、様々な業界のプロジェクトに手を出すことはオススメしません。

最短で出世している人を見ていると、自分を引き上げてくれる上司やプロジェクトを見つけて、その領域に集中してプロジェクトをこなしていき、評価を得ることが重要な気がします。

業界を絞って、出世している上司をつかむことを意識すると良いでしょう。

上司の評判も業界柄よく回りますが、その情報を元に、自分の嗜好に合った上司を持つべきだと思います。

稼ぐためには専門知識を身に着けるべし

-将来は独立を考えているコンサルタントの話をたびたび聞きますが、コンサルタントで身につくスキルと、独立してやっていくスキルは別のように感じます。

20代のコンサルタントの人たちに稼ぐ能力をあまり感じません。

現在の大量採用時代における人たちは、優秀なコンサルタントの割合が少ないから、おっしゃる通りでしょうね。

だいたい企業の衰退ストーリーは決まっていて、昔の世代は、コンサルタントがよく知られていない時期にコンサルティングファームに就職しているので、際物好きで、独立しても稼いでいけるタイプの人が多い印象です。

それに比べると今のコンサルティングファームは、比較的大企業化していて、起業家精神とかもないタイプの人間が多くなってくるのは仕方がないとは思います。

-稼ぐために必要な能力とはなんでしょうか。

領域を絞ることです。なんでも出来ますだと、単価が下がるので稼げません。

個人ブランディングが大事なので、コンサルタントで頭が良いことを売りにしても、仕事を獲得することはできません。

事業会社の社長や経営企画部長は、自分のことを頭が良いと思っているので、コンサルタントから「あなたが考えることが出来ない頭が良い私が考えるこのプランいかがでしょう」と言われてもいらっとします。

例えば今、私の目の前にグラスがあるのですが、「このグラスの成形方法のついての専門知識だったら私の右に出る者はいません」と言われたら、事業会社の社長も納得します。

こうした高度な専門知識に対してお金を払っていただけるのです。

-専門知識を身につけることって難しいと思うんです。どうやって領域を絞っていったらよいのでしょうか。

見つけるまでが難しいので、同時多発的になんでもやっていくことです。

領域を絞れと言ったことと矛盾しますが、最初は何でも受けるべきです。

1日の稼働の単価が2万円でも3万円でも、一度仕事をやってみることです。

様々なことをやっていくなかで、何かしらの引っかかりがあるはずです。

この領域は自分にとってアップセルの気配しかしない、とかいったところです。

この領域なら人に勝てるという引っかかりがあったら、そこに注力していくことが重要です。

ある程度自信がついたら、スタンスを取ってその領域の専門家と名乗ってみると、その後自然と仕事は来ます。

コンサルティングの仕事って、最初お金が貯まらないんですけど、ノウハウはどんどん蓄積されていきます。

最初は営業も肝心

-最初の仕事はどうやって取ってくるのでしょうか。

コンサルティングファームの受託案件だと、仲介会社がたくさんいます。

当然仲介会社を使うと、高い営業マージンをとられますが、それでもやってみることです。

もう一つは知り合い伝手ですね。

死ぬほど頑張るので仕事ください、1ヶ月20万円でもやります、と言ったら仕事はやってきます。

編集後記

いかがだっただろうか。今回はTwitterで有名なシャイニング丸の内氏にお話しを伺った。

前編では、主にコンサルタントのキャリアについて触れさせていただいた。

コンサタント志望の方にとっては興味深い内容になったのではないだろうか。

大変参考になった。後編では独立後のキャリアについても伺っていく。

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