転職活動全般

コンサルティングファームで求められる役割を転職前に知っておこう

コンサルティング業界の役職

コンサルティング業界は、職位の名前や、それぞれの役職で求められる役割が他の業界と比べて特殊である。
あなたが転職するのに際して、どの職位で転職することになるか、その職位ではどのような役割が求められるのか、事前に把握しておく必要があるだろう。

職位 役割 年次 年収事例
アナリスト 調査、分析 新卒〜3年目 700万円-800万円
アソシエイト 論点分解 3年目〜6年目 800万円-1000万円
マネージャー プロジェクト現場のまとめ役 6年目〜 1200万円-1800万円
パートナーなど 営業、ファームの経営 実力次第 3000万円以上

ファームごとの職位名

ファームごとに各職位の名前が異なっている。



ファームごとに職位の名前は異なっているが、各職位で求められる役割はファームごとに大差ない。

アナリスト

年次

新卒、第二新卒〜2,3年目
実務経験が2年以下の場合はアナリストでの採用がほとんど

求められる役割

アナリストは、プロジェクトの課題解決の個別分野を担当する。
具体的には、情報収集とその分析が主だが、顧客メンバーとの協業、プロジェクトの最終提案のとりまとめ、および顧客企業の経営者へのプレゼンテーションも担当することがある。また、クライアントとのミーティングや、他の案件も抱えているパートナー、マネージャーとのチームミーティングの調整など、雑用のような仕事をこなす必要もある。
一方で、多くの場合、プロジェクトあたりの人数は4人から5人と少数精鋭で行なっている。そのため、ミーティングでは1年目の最初のプロジェクトであっても、意見を求められたらしっかり意見を述べなければならないなど、常にプロフェッショナルとして自分の頭で考えることが要求される。
最初の数プロジェクトは、覚えることが多く、相当忙しくなることを覚悟しなければならない。ただ、忙しいからこそ効率的に作業する力が身につくとも言える。また、コンサルティング業務を初めてすぐのうちに、自分自身がどのようにリフレッシュをすれば集中力が持続して作業効率を最大化できるかも学ぶ必要がある。自己管理も、プロフェッショナルであるコンサルタントとしての能力の1つだ。

年収事例

マッキンゼー:800万円
アクセンチュア:700万円

アソシエイト(アクセンチュアの場合はコンサルタント)

年次

3〜6年目
転職者の場合、実務経験が3年以上あるとこのポジションでスタートする

求められる役割

アソシエイトになると、与えられた課題の解決に受動的に取り組むのではなく、クライアント企業の抱える様々な経営課題を深く理解し、より高い視座を持って全社的な視点から経営課題の解決に取り組むことが求められる。
自らの担当領域を自己完結するのみならず、プロジェクト全体への貢献をすることが求められ、このプロジェクト全体への貢献、つまりマネージャーに近い役割ができるかどうかがマネージャーに昇進できるかどうかを決める。課題解決に向けた分析のフレームワークを考え、クライアントチームとのディスカッションをリードしながら仮説構築、検証、戦略構築、実行プランの策定といった一連のコンサルティングプロセスを遂行していく。また、現場での仕事だけでなく、ナレッジマネジメントや採用活動等を通して、ファームの発展に貢献することも期待されている。
アソシエイトまで昇進したらコンサルタントとして最初の関門を通過したといえるだろう。また、この時期になると、作業のペースや作業量を自分で調整することができるようになるため、アナリストの頃に比べてワークライフバランスは多少は取りやすくなる。
もちろん、分析によって予想と違う結果が出るなどの不測の事態が発生して計画通りに物事が進まない場合や、報告会の直前は、相当に忙しくなることは覚悟する必要がある。

年収事例

マッキンゼー:1000万円〜1300万円
アクセンチュア:900万円〜1200万円

マネージャー

年次

7〜10年目
(コンサルティング未経験の方が、マネージャーとしてコンサルティングファームに入ることはほとんどない)

求められる役割

マネージャーは、現場のリーダーとして、プロジェクト全体のデザイン、日々の活動のマネージ、チームメンバーをコーチしながら成果物としてまとめるという役割を担う。マネージャーになると、ある程度の得意分野が決まってきて、産業の専門家としての一面も期待されるようになる。チームメンバー、プロジェクトに直接関与するシニアコンサルタントに限らず、海外オフィスを含めた全社的なリソースを活用しながら、課題解決のためのコアとなる概念の構築と解決策の立案を行う。そして、その解決策を効果的にクライアントに伝え、クライアントの変革を支援していくこともマネージャーの重要な役割だ。
また、マネージャーになると、プロジェクト以外の面でもファームに貢献することが求められるようになる。アソシエイト以下のコンサルタントのプロジェクトを通した育成、プロジェクト外でのメンタリングや、新卒、中途の採用活動など、シニアなコンサルタントとして、ファーム全体の発展のために期待されることも増えてくる。

年収事例

マッキンゼー:1500~2000万円
アクセンチュア:1200~1800万円

アソシエイトパートナー/ パートナー/ シニアパートナー(アクセンチュアの場合はマネージングディレクター)

年次

10年目以降

求められる役割

パートナーは、コンサルティングファームにおける役員に当たる。
ほとんどのコンサルティングファームは、パートナーシップ経営という体制をとっており、パートナーは共同経営責任者としてポケットマネーから出資金(500万円〜)を出した上で経営に参加する。

彼らはプロジェクトにおいては主に営業の役割を担っている。クライアントを見つけたり、クライアントとの関係を深めるためにディナーをしたり飲みに行ったりすることはもちろん、ファームの価値を高めるために、自らやファームの知見について講演したりメディアでコメントしたりする。

パートナーになると、ファームの利益を配当として分配する。そのため業績次第では賞与は莫大な額になる。一方で、パートナーに到達することができるのはほんのごく一部で、殆どの人はその前に転職してしまうというのもまた事実だ。
またデロイトトーマツコンサルティングなどは、役職の半分がパートナーと言われており、パートナーになってからの昇進が非常に大変である。

年収事例

業績次第
3000万円~数億円
パートナーの場合、ベース給の割合はあまり高くなく、業績次第で給与が激しく変動する。
また、パートナーになるためには、最低500万円の出資金が必要になる。

コンサルティングファーム内部での評価

ここまで、コンサルティングファームにはどのような職位があるかを紹介してきた。
ここからは、ファーム内でどのような評価を得ると昇進することができるのかについてお伝えしていく。
一般的な事業会社に比べて、厳格な評価が行われているが、その分公平さも重視されている。この評価の構成さもコンサルティングファームへの転職を希望する人が多い理由の1つになっている。

プロジェクトごとの評価と通期での評価

アソシエイト以下の社員の評価は、プロジェクトで関わったマネージャーによって行われる。多くのファームでは、20項目以上にわたる細かな評価指標があり、プロジェクトが終わるとその評価項目に沿ってマネージャーが評価を下す。
ほとんどの場合は年間で複数のプロジェクトを担当するので、コンサルタントの評価には、必然的に複数のマネージャーが関わることになる。
年に1回、マネージャー以上の社員全員が集まって丸1日かけて行われる評価会議にそれらの評価が持ち寄られる。持ち寄られた評価に対して、昇進をさせるかどうか、どれぐらいのボーナスを与えるかどうかについて、全員で議論を行う。
かなりの人数複数人の目を通すため、全く偏りがないわけではないが、かなり公平性は高いと考えられる。

360°評価

また、多くコンサルティングファームでは、360°評価と呼ばれる評価手法を取っている。
これは、一般的な事業会社のように、職位が上の者が職位を下のものを評価する(例えばマネージャーがアソシエイトを評価する)だけでなく、職位が下の者も職位が上の者(例えば、マネージャーがパートナーを評価する、アナリストがマネージャーを評価する)ことも行われている。
特に後者の評価はアップワードフィードバックと呼ばれ、評価の中でも大きな割合を占めている(2割から4割ほど)。

おわりに

コンサルティングファームでは、職位によって求められる役割が様々であることをわかっていただけただろう。

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今回の記事のような様々な業界の事情を教えてくれる。