スピーキング

英語での議論の際の留意点と上達方法

はじめに

 社会人になれば仕事柄、今まで学生生活では全く機会のなかった外国人とのディスカッションが増えてくる人も多い。しかし、多くの日本人はその際に上手く話せないことが大半である。そのため、英語での議論に苦手意識を持ってる人も多いのではないか。

今回はアメリカのビジネス系の大学に所属経験があり、更にMBAで英語でのディベートも経験している筆者が英語の議論の際の注意点を書いていく。話す内容については場合によってとしか言えないため、最低限のマナーや話し方のコツを中心に述べる。

使えるフレーズ

 場面がどんな時であれ、英語での議論には一定の作法がある。一つ目としてはその発言がどのような根拠によるものなのかをはっきりさせることだ。例えば、何かを発言するときに、英語ではそれは自分の意見なのか、聞いたことなのか、一般論なのかなどを日本語以上に気にする。

自分の意見の場合なら”In my opinion”、や”We(I) should better …”などを文頭に就けるべきだ。特に、議論の際は自分の意見であることを示すことで相手から意見のある人だ、と認知され、高評価につながることもある。

そのため、”I guess”や”I think”といった簡単なフレーズでもいいからしっかり自分が意見を持った人物だということを伝えよう

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他人から聞いた話や、一般自称を言うことでさらに説得力を増したい場面もあるはずだ。その際にはしっかり誰に聞いた話なのかを述べよう。他人から聞いた話では”I’ve heard”や、”He(she) says”など、自分以外の誰かが言った、と言ことを明確にしよう。

本当に説得したい、議論で勝ちたい場合は”I’ve read an article saying…”といったように、嘘でもいいから自分の発言が何らかの裏付けがあることをアピールしよう。ここまで言えば大抵の議論では自分の意見を押し切ることができる。

”In general”といったように「一般的には」という一般論を出してくるのも強力だ。相手をまるで常識が無いように扱うことで、ぐっとこちらの発言に説得力が付く。

会議での場合

 英語での議論は日本語の議論とは少し異なることがある。一つ目は事前にアジェンダを配られることが多いことだ。日本の議論では会議に参加して初めてその日の議題や問題点、更にはそれに関わるデティールが配られることも多い。

しかし、英語での議論の場合は会議で話す内容がある程度先に共有され、各自で準備を行う時間が与えられることが多い。日本とは勝手が違うので、あらかじめ議論の際に自分の意見を持って臨むようにしよう。

また、英語での議論は日本語の時よりもロジックが求められる。日本語の会議にロジックがないとは言わないが、比較的、井戸端会議のようにだらだらと話す機会が多い。それに対し、英語での議論は結論ファースト、意見ファーストで最初にオチを述べてから、その根拠を述べる形式が多い

更に、英語での会議は一般的な議論以上に言葉選びに気を使うべきだ。スラングはもちろん、一般的な話し言葉も避け、自分が信用に足る人物であることが相手に伝わるように心がけよう。

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英語で結論や意見を最初述べる時に、使えるフレーズがいくつかある。まずは自分の意見を述べる時だ。立ち話でのフレーズと意味合い的には変わらないが、よりかしこまったフレーズを使うのがマナーだ。

例えば” I propose that” や”let me suggest that”といったフレーズを使おう。口語では”why don’t we “や”let’s us…”というように言ってしまうことが多いが、ビジネス上では不適切だ。しっかり自分が提案している、または提案していいかをへりくだった表現で伝えよう。

ビジネス上で急遽議論する場合

英語での公式な場でない議論ほど難しいものはない。公式な場であればある程度議題内容が共有され、自分の発言機会も自分が自信のあるときだけでいいのに対し、例えば立ち話でマンツーマン議論をする場合は真の英語力が試される。そんな場合でも役に立つフレーズや心得がある。

自分が相手に主張をする場合は簡単である。自分の意見をとうとうといえば済むので、前述の”I think”や”I suppose that” といったようなフレーズを使い、結論を述べてから論理を補強していけばいい。

難しいのは、相手の意見に対して反論する場合だ。日本の英語教育では”I disagree with you”といったように相手の意見への不同意を表せればいいように教わることが多いと思う。しかし、実際にはここまでストレートに反対意思を表明すると、相手の気分を損ねることが多い。

私も海外で相手と議論する際にはよく相手がヒートアップするようなことがあったが、ネイティブの先生がどのように生徒の意見に反対するかを観察していたところ、ある方法を知ることができた。

それは、少し枕詞をつけてから反対意見を表明するという方法だ。具体的には”I could understand what you said, but…”や”I partly agree with you”といったように相手の意見を一部分は認めることだ。最初から相手の意見を否定するのではなく、相手の意見を尊重するフレーズを挟むだけで断然、温厚に議論を進めることができる。

他にも相手に敬意を払った”I might say…”などのいい方もあるので、少し婉曲な表現でもいいので、議論の相手の機嫌を損ねないことがいい議論をすることの秘訣である。

ディベートでの学習を勧める理由

 学生しか行わないかもしれないが、ディベートは議論に慣れるためには最高の教材である。社会人になってからも英語が苦手な人はディベートのトレーニングをしてほしい。なぜなら、ディベートの場合は立ち話や会議の時と比べて、使用する英語が定型化されているため、フレーズさえ覚えればたやすいからだ。

まずディベートは話すテーマが実際のディベートの開催日よりも前に発表されることが多い。学習塾の場合であれば最低でも一週間前にテーマがわかるため、英語が苦手でも事前準備が可能である。

また、一人当たりの発言時間も決まり、主張や反論、反駁といった段階も決まっている。そのため、自由に議論をするよりもよっぽどその場の対応力が必要とされない。

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また、必ず一度は発言する機会が回ってくるため、議論で発言する自信がない人もディベートで練習を重ねることで自然と自信がついてくる。また、自分の意見を発表しなくても良いのが地味に大きい。ディベートは一つの議題に対して賛成か、反対かを自分の意志ではなく、出題者から設定される。そのため、責任を負って自分の意見を表明するディスカッションよりもよほど気楽に発言しやすい。

そして、何よりもディベートでは高度な単語を覚えやすい。普通の議論だと、自分のボキャブラリー以上の発言はできないのが当たり前だ。しかし、ディベートでは特定の議題に対して徹底的に調べ、専門用語も調べるため、自然と英単語の学習につながる。学習目的であればいきなりの英会話よりも、ディベートから段階的にボキャブラリーのレベルを上げることを薦める。

まとめ

いかがだったろうか。英語の議論は話している内容こそ変わらないものの、話し方の順序や作法は意外と存在する。特に、敬語がないと思われがちな英語であるが、実際には相手の機嫌を損ねない、公式の場に適した、といったものは多数存在する。

そのため、議論をした際に相手とけんかになってしまう場合や、上手く言葉のキャッチボールができない人は自分に足りない作法やフレーズを覚えて、円滑に議論できるように努めてほしい。

また、そもそも英語力に不安がある人は、いきなり英語での議論の学習を始めるよりはディベートグループやディベートクラスに入るのも手かもしれない。友人もできることが多い上、先生から話し方のポイントを教わることができるため、敬遠せずにディベートからスキルを上げることを薦める。