英語学習法全般

帰国子女から学ぶ非ネイティブ向けの英語勉強法

英語の重要性が謳われ出しもうだいぶ経った。大学受験や就職など様々な場面で英語力が必要とされると感じることが多いだろう。

そんな中、英語を得意としている、流暢に英語を話している帰国子女の人を見ると、英語の技能や在外生活の経験を羨ましいと思うことや自分も同じように英語を習得したいと思うこともあるだろう。

中には海外で生活すれば自ずと英語ができるようになるのではないかと思う人もいるかもしれないが、それは全くの幻想であり、帰国子女の人はきちんと勉強して英語を身につけている。

しかし、同じような勉強法をすれば誰でも同様に英語を習得できる。筆者の塾講師という立場上、幅広い年代の帰国子女の人と関わり、指導してきた経験や筆者自身の経験をもとに、帰国子女の人がどのような勉強をして英語を習得しているかを伝えたい。

今回は、その勉強法を英語の主要素であるリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つの要素に分けて記す。実際に留学等の予定がある人、その予定はないが日本にいて英語を身につけたい人など多くの人に参考になれば幸いである。

効率の良い勉強は覚える・思い出す・使う

通常英語は、何年もかけて身につける能力であるため、短期間にしかも簡単に習得できるものではない。しかし、効率よく学ぶ方法はある。4つの要素別の勉強法を記す前にまずは以下に記すので頭に入れてもらいたい。

4つの要素をより大きく分類すると、インプット型アウトプット型に分けることができる。リーディングとリスニングが前者であり、ライティングとスピーキングが後者である。

まずはリーディング、リスニングにより知識をインプットし、それをアウトプットとしてライティング、スピーキングの勉強をする。

また、アウトプットでの成功体験が次のインプットのモチベーションに繋がる。この相互性を理解していただきたい。

効率よく英語を習得するにはインプット型の勉強からするべきなのは言わずもがな、それをすぐにアウトプットに移すのが秘訣である。抽象的な話はこれくらいにして、4つの要素の具体的な勉強法について記述していく。

インプット型①リーディングについて

リーディングとは文字通りreadすなわち読むことであり、一番の勉強は何かを読むことである。しかし、具体的に何を読めばいいかと悩むかもしれない。そこでお勧めするのは絵本である。意外だと感じる人も多いと思うが確かな理由がある。

絵本のメリット

  • 読破しやすい
  • 学力レベルの段階別で選べる
  • 視覚からの情報によるサポート

まず、読破しやすいことのメリットは読破により達成感を得られることだ。達成感は次の勉強へのモチベーションとなる。小さな達成感を積み重ねていくうちに自信がつき上達しやすい。

いきなり難しく長い文献を読もうとして挫折してしまえば元も子もない。英語に限られず勉強は成功体験積み重ねが重要である。

次に学力レベルの段階別で選べることについて。絵本は大にして対象年齢が書かれており、自ら教材を選定する際に難易度が明確にわかる。

そのため急激に難化することや逆に易化することもないので、効率的に勉強を進めることができる。また、現時点の自分の学力レベルを客観的に把握できる点もメリットである。

最後に視覚からの情報によるサポートについてだが、これが一番重要な点である。絵本には文字だけでなくイラストも挿入されている。

文字からの情報とイラストからの情報を結びつけて記憶することができる。そのため、勉強したことと覚えやすく忘れた際にも情報の引き出しが2倍あるため思い出しやすい

人間は思い出すという過程を経て記憶が定着すると言われている(一般的にはレミニセンス効果と呼ばれている)ことからも、思い出しやすさがメリットになることを理解していただけるだろう。

リーディングの具体的な勉強法について

メリットは上記したため理解していただけと思う。次に具体的にどのように勉強すればいいかを記述していく。複雑なことはする必要はなく、2つのことをするだけでよい。

  • 実際に絵本を読む
  • 読んでいて出てきた知らない単語やフレーズをメモし調べる

以上の2つのポイントを抑えつつ、既知の単語やフレーズはどのような場面、言い回しで使われるのが自然な英語かを意識する。既知の知識を定着させ、未知の知識の発見と習得がリーディングの目的である。

また、未知の知識を調べる時には辞書を使用することを勧める。なぜなら、辞書には凡例や類義語など、多くの情報が一目で得られるからだ。

そして、読み進めていくうちに内容や使われる単語が簡単に感じてきたら次のレベルに進むタイミングである。このように絵本から勉強を始めることを勧めるが、それも簡単に感じたら、本を読むといい。

本の選定はできるだけ多くのジャンルからまんべんなく行う。本になっても勉強方法は絵本の時と変わらず2つのことだけを意識すればいい。

ここで一つ、簡単に感じるや次のレベルなどと感覚的な表現ではわかりにくいと思うので、具体的な指標を記しておく。まず自分にあったレベルは、読んでみてわからない単語等の割合が3~4割であるのが好ましい。そして、その3~4割の「わからない」がなくなる時が次のレベルに進むタイミングである。

また、教材を選ぶ際の注意点として日本語で内容を知っている話の英語版は避けた方が良い。なぜなら、日本語で内容を知っていると文章をあまり読まなくても、記憶で内容を補正してしまうからだ。

英語を英語として理解することが重要であり日本語を介して理解すると、むけのネイティブのような理解の仕方とかけ離れてしまう。

オススメのリーディング教材や著者

・The magic key シリーズ

 …Oxford reading treeというオックスフォード大学が出版している絵本。上記した絵本のメリットが全て詰まったオススメの絵本。

・Roald Dahl

 …イギリス英語で韻の効いた特有の造語が多く登場し非常に面白い。有名な作品は「マチルダ」や「チョコレート工場の秘密」

・Jacqueline Wilson

 …イギリス人作家。10代向けの本が多くどれも読みやすい。

インプット型②リスニングについて

英語を聞くといっても様々な教材があげられると思う。リスニング用のCD、ニュース番組・ラジオ、映画・ドラマ、音楽などキリがない。今あげた教材はどれも有益なものであり、どれを選ぶのが良いといったものはないため好きなものを選べばいいと思う。しかし、注意すべき点が2つあるためそれを記述する。

  • 自分に合った速度の教材を選ぶ
  • 略語、俗語や時代背景に注意

まず自分に合った速度について。そもそも人間が聞き取って理解できる速度の限界があり、それは文章の内容をしっかり理解しながら読むことができる速度である。

それ以上速い教材を聞いていても単に聞き流しているだけであり、勉強したつもりになってしまうため気をつけてほしい。

次に、略語、俗語や時代背景について。これは主に音楽や映画等にみられるものである。それらに気をつければいずれも有用な教材になりうる。

次に教材別に特徴を挙げていく。

・リスニング用のCD

ツールではなく勉強として英語のリスニングを練習する際に一番扱いやすいのがこれだ。特に大学受験や英語能力試験などの目的別で対策をしながらリスニングの力を高めるのに役に立つ。

・ニュース番組・ラジオ

時事的な話題や専門的な用語を一番学べるのがニュース番組・ラジオの特徴であろう。読むスピードが速く若干上級者向けであるが、TOEFLやTOEICなどの試験の実践的な練習になる。慣れてきたら是非活用してほしい教材である。

・映画・ドラマ

リーディングの勉強法にも記したが映画やドラマは視覚的情報として映像も一緒にあるため、記憶しやすい点やイメージしやすい点が特徴である。正に百聞は一見に如かずだ。自然な会話や言い回しが手軽に学べる。また、英語字幕を活用すれば即時に聞き取れなかったところを確認できる点も特徴である。

・音楽

一番手頃で馴染みやすく、楽しく学習できる教材であると思う。その上、他に音楽ならではの特徴が3つある。それは韻、倒置、受動態であり、いずれの表現法も音楽には非常に多く登場する。例えばThe Beatles のYesterdayの冒頭の歌詞

Yesterday

All my troubles seemed so far away

Now it looks as though they’re here to stay

Oh, I believe in yesterday

を見てみると、文末のyesterday、away、stay、yesterdayの終わりの発音が一致している。これが韻である。また、しばらくすると

Why she had to go, I don’t know

という歌詞がある。通常の語順ならI don’t know 〜となるとことだが、whyから始まる節を強調するために倒置が起きている。このように音楽には頻繁に特有の表現が見られる。

また、歌詞をきき覚えれば歌うことでアウトプットすることができる。上にも記したが、略語・俗語にさえ気をつければ楽しくモチベーションを保ちながら勉強できる。

リスニングの具体的な勉強法について

  • 全体の文章を通しで聴く
  • 一文ずつ聴きき、内容を書く
  • 音源に合わせてシャドウイング

まず1番目のステップの目的は一語一句理解しようとするのではなく、文章の主題やキーワードが何かにかということを意識して聞くようにすることだ。頭の中を整理するためにメモを取ることもするとよい。

残りの2つはアウトプット型(ライティング、スピーキング)の勉強であるが先に記述しておく。

2番目のステップの目的は正確に聞き取れているかを確認することに加えて、瞬時に綴りを間違えずに書くことができるかを確認することである。

この際に聴いた文章を愚直に書き写すのではなく、文法の知識で補正しながら書くことで知識の定着も行える。

また、自分で書いた文章と実際の文章を比べ間違えたところをまとめることで、自分の苦手なところ(例えば、リンキング/リエゾン:単語の末尾の音と直後の単語の先頭の音の連結や弱く読まれる前置詞など)が浮き彫りになる。

最後にシャドウイングについて。シャドウイングとは聞こえてくる英文の後を追うようにして発音する勉強法である。聞こえてくる英語と同じ発音・スピード・イントネーションで繰り返し発音するため、集中し細部まで聞く必要がある。これによりリスニングとともにスピーキングの勉強になり一石二鳥である。

これまでにリーディングとリスニングについての勉強法を記述してきた。しかし、インプットだけでは「わかる」という段階であるため、得た知識をアウトプットにより「できる」段階に昇華する必要がある。

以下ライティングとスピーキングについての勉強法を記述していく。とは言えこの2つはアウトプット型と称したように、繰り返し行うことが重要である。

言い換えれば簡単に身につけるものではなく積み重ねがモノを言う。その際に意識するテクニックなどを記すので参考にしていただければと思う。

アウトプット型①ライティングについて

リーディングやリスニングによりインプットした知識を今度は実際に使ってみて身につけるという作業を行わなければならない。ライティングについては初歩的な練習と上級テクニックについて記していく。

初歩的な練習では、簡単な日記を書きライティングのトレーニングをする。この日記では意識して欲しい点が1つある。それはリーディングやリスニングの時にわからなかった単語や新しく知った言い回しを積極的に使うことだ。

この日記はインプットした知識を使う経験をする場のため内容や形式、文章量は気にする必要はない。それを踏まえた上で、論文やエッセーレベルのライティングの勉強をする際のテクニックは以下の2つである。

  • テンプレートを頭に入れる
  • Iから始まる文章を避ける

英語の論文には決まった基本構造があり、そのテンプレートにのっとることでスムーズに書くことができる。

文章を5つに分けた時にイントロダクション(テーマの導入や問題提起、自身の立場など)に①、ボディーパラグラフ(根拠や理由など)に③、コンクルージョン(結論や意見など)に①の分量で構成されている。自分の中でパターン化、体系化させるのが一番である。

また、意見を述べる際どうしても主体が自分であるためとりあえず主語をIとおいて文章を考えることがあるだろう。しかし、これでは我の強い稚拙な文章となってしまう。それを解決するテクニックとして無生物主語構文がある。例えば「I think 〜」を「My opinion is 〜」と置き換えることでより自然な英語になる。

日記を書くことに慣れたら代わりに以上のことを意識しエッセーを書くのがライティングの一番の勉強である。ニュースで聴いた時事的な話題などからエッセーの題材を設定すると継続しやすい。

アウトプット型②スピーキングについて

これまでに随所で記したスピーキングの勉強法やポイントも含めてここにもう一度まとめたいと思う。

シャドウイングで発音、抑揚を真似て習得する

本や映画などで場面に適した言い回しのレパートリーを増やす

・先に日本語の意味や文法を意識しない

スピーキングは英語の勉強の中でもっともアウトプットの場数の多さに比例して上達する。とにかくリーディング、リスニングのインプットとセットで勉強するのが近道である。

最後に

帰国子女と聞くとどこか羨望の眼差しを向けがちである。しかし、実際にはこのように不断の努力で英語を習得している。また、たくさんの時間を英語の勉強に当てている。勿論日本にいるよりは周りの環境が整っているという点が異なるが、同じ努力をすることで同様に英語を身につけることができるのだ。

今回は包括的な英語の勉強法について記事にしたが、基本的に様々な勉強に役立てることができる。リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングいずれか部分的でもこの記事が英語の習得に寄与できれば嬉しい。

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