勉強法

理系学生が習得すべき英語

理系学生こそ英語を使いこなせるようになるべきだが、意義やメリットを説くことはあっても具体的にどういった行動を取るべきなのかはあまり知られていません。そこで今回は、筆者が経験してきた体験談をベースに、どういった学習が必要なのかをまとめます。

英語という教科は文系のものと思っている方も多いのではないでしょうか。大学入試のことだけを考えるなら、理系の大学を受けるにあたって英語の重要性はそれほど高くはありません。

しかし、理系に英語が必要ないかといえばそれは大きな間違いです。将来は技術者や研究者として働きたいと思っているなら、英語は必要不可欠といっても言い過ぎではありません。

そこで今回は、理系にとっても英語が必要な理由は何なのか、これからどうやって英語を習得すればよいのかについて解説していきます。

 

理系学生が英語を習得するべき理由

英語を習得するべき理由は、主に3つあります。

1. 英語で専門的な情報を集める必要がある

日本で普通に暮らすだけなら日本語さえ使えれば日常生活で困ることはありませんよね。特に今はパソコンやスマホがあるので、分からないことはインターネットで調べればいいと思っている方も少なくないはずです。

とはいえ、理系の専門分野になってくると、ほとんどすべての情報が日本語では簡単に手に入るものではなくなってきます。

しかし英語が使えれば専門的な情報でもインターネットで見つかりやすくなります。それもそのはず、ネット上にある情報のうち日本語が占める割合はわずか数%。それに対し英語は25%以上を占めていると言われています。日本語のなんと約10倍です。

 参照:https://www.internetworldstats.com/stats7.htm

インターネットさえあれば情報で困ることはないと思いがちですが、やはり日本語の情報は少なく、英語が使えるとそれだけで情報収集の効率が上がります。また、論文もほとんどが英語で書かれたもの。英語が読めなければ世界の最先端についていくことはできません。

2. サイエンスは英語を用いなければ、発信できない

基本的に研究成果は英語を用いて発信する必要があります。

それは、世界に向けて自分が行った研究の新規性を発信することで、初めて業績として認められるからです。また、学術や産業発展のためにもなります。

研究室で築きあげたオリジナルな経験に基づくオリジナルな研究を発表し、これまで誰も知らなかった世界を構築していくことにこそ、私たちが膨大な時間と労力をかけて英語を学ぶ意義があるのではないでしょうか。

3. 英語圏の人とコミュニュケーションを取る

理系の仕事というと一人で黙々と作業するイメージを持っている方もいるでしょう。

しかし、実際は複数人でグループを組むなど、共同で作業する場合の方が多いものです。そして、共同で作業をするパートナーは日本人だけでなく、当然のように外国人も含みます。

大学には、さまざまな国から人が集まってきており、コミュニケーションで使う言語は当然英語です。読み書きだけにとどまらず、話したり聞き取ったりなどコミュニュケーションが取れることで、国際学会に参加する際や海外の方と関わる時に交流の幅が格段と拡がります。

 

理系学生が英語を習得するための方法

理系にも英語が重要であるというのは、上で説明した通りです。とはいえ、日本人にとって英語を使いこなすのはなかなか難しいもの。

ほとんどの人が中学・高校合わせて6年間で英語を勉強してきたのに、英語を使える人がほとんどいないことからも英語を使いこなす難しさが分かります。英語を使いこなすためには、学校での授業を受ける受け身な学習ではダメです。

ではどうすればいいのか? 英語の学習をする際の主な3つのポイントを紹介します。

1. 目的をはっきりさせる!

私たちはネイティブスピーカーではないので、目的に応じた英語力を身につけるために最適な学習法を選択する必要があります。よって大事なのは、なんでもいいから英語ができるようになる、ではなく、まず英語の「限定的な能力」を身につけることに的を絞ることが重要となります。

なぜ英語を勉強するのか、その目的をはっきりとさせることはすごく大事です。

そのメリットは、モチベーションが上がるということ、そして無駄をなくして勉強できるということです。

たとえば「英字新聞を読めるようになる」という目標を掲げて勉強している人は、リーディングに1番力を注ぐべきで、「留学する」を目標にするなら、リスニングやスピーキングに力を注ぐべきです。

具体的な目標があれば、その目標から逆算していまやるべきことを決めることができるので、勉強の効率が上がります。

このようにPDCAサイクルを意識して行動するということは、理系学生が研究を行う際にも重要となってくるので、この記事を読んでいる理系学生の皆さんならきっとできるはずです。

また、TOEICは多くの大学院受験で用いられていることや、就職活動時にもスコアを要求されることがほとんどであるため、まとまった時間が確保できる学部3年時までに高いスコア(600~800点が目安)を取れるよう、計画的に勉強しておきましょう。

大学院受験にTOEICが用いられている大学

国公立大学

https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/lr/search_daigakuin/daigakuin_1.html

私立大学

https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/lr/search_daigakuin/daigakuin_2.html

私は下記の参考書を用いることで、「早く正確に」が求められるTOEICにできるだけ慣れておくことを意識して勉強していました。

はじめに単語を覚え、7-8割程度覚えきれたら、あとは模試をひたすら解き続け、形式に慣れることを重点的に行いました。

  • 「TOEIC L&R 出る単特急 金のフレーズ 」
  • 「公式TOEIC Listening & Reading 問題集4」
  • 「【新形式問題対応-CD-ROM付】-TOEIC-Rテスト-至高の模試600問」

 

2. 中学レベルの英文法を固める

研究論文と言うのは、「簡潔に研究結果の要点をまとめてある文書」です。そのため、まわりくどい表現や難しい英単語が使われていることはほとんどありません

また、英語の論文とは言ってもそれを書いた著者は、ノンネイティブであることが多いです。そのため、専門用語を除けば基本的に書かれてある文章というのは、中学レベルの文法で書かれていることがほとんどです。

そのため、今さら中学英語なんてやり直すの? と思わず、自分が不安な単元だけで大丈夫なので一度復習して基礎を固めることを意識してください。

英語に限らず何にでも言えることですが、大切なのは基礎。どれだけ基礎を大切にしているかでその後の習熟度が大きく変わっていきます。文法に自信がない人はぜひ中学英語からやり直してみてください。

3. 生の英語に触れ、アウトプットを意識して学習する

勉強というとノートにまとめたり問題を解いたりというイメージがあるはず。もちろんこれも大事なことではありますが、最新の論文やニュースを読むこと、声に出して英語を話せるようになることも同じくらい大切なことです。

特に英語は、日本語にはない音を使う言語であることや、言葉にできることは極力言語にするなど、日本語とは違う特徴を持った言語です。

そのため、知識のインプットだけではなく、自分で論文を書いたり、実際に話してみたりする機会を作ることで、「積極的にアウトプットする」ことを意識して学習してください。

そして、間違った表現(発音や文法、単語の用法など)を訂正してもらい、もう一度自分で英語を表現することをし直すことを繰り返すことで、英語力を上げてください。

そこで注意していただきたいのですが、正しい表現を覚えてからアウトプットしようという、完璧主義の思考は捨ててください。拙い英語でも必死に行動を起こすことで、それを見て・聴いてくれる人は必ず理解しようとしてくれるはずです。

そして、行動してできないことを自覚することで、英語学習への意欲がさらに湧いてくるはずです。

でも、今まで英語論文や英文記事を読んだことがない皆さんにとっては、「必要とは言われてもどうやって勉強したらいいのかわからない…」と悩むことかと思います。

私も研究室配属当初は、どうやって勉強するのかわからず、がむしゃらに辞書に頼りながら勉強していました。

そこでこのあとは、「英語論文を読むためのコツ」を、自分が実践してきたことを踏まえてご説明します。

真似しやすいよう、できる限り具体的にまとめてみたのでぜひ一読ください!

 

英語論文を読むためのコツ

  1.  科学論文に頻出する品詞や文法で知らないものがあれば覚える
  2.  自分の専攻・研究に活きる基本的知識を”日本語で”習得する
  3.  英語論文の中でも、まず”レビュー論文”を読む
  4.  自分の研究テーマに近い論文を読む
  5.  読んで学んだことを簡単にメモしておき、ジャンル毎にファイル分けする
  6.  ひたすら論文を読みまくり、数をこなす
  7.  自分の研究がある程度進んだ時点でまとめた論文を見返し、復習する

上記の勉強法を真似ていただければ、必ず英語論文も抵抗なく読めるようになり、研究を進めるために必要な知識も身につくはずです。

上記のことについて、順を追って一つずつ説明します。

 

1. 科学論文に頻出する品詞や文法で知らないものがあれば覚える

これは大学受験を経験した皆さんなら必要ないかもしれませんが、科学論文には頻出する品詞や文法があります。

そこで、不安な方はまず「科学論文 頻出表現」などで検索し、軽く復習しておきましょう。

以下に、おすすめのサイトを載せておきます。

「科学論文に役立つ英語」 http://neutron.appl-beam.ibaraki.ac.jp/ohoyamak/

 

2. 自分の専攻・研究に活きる基本的知識を”日本語で”習得する

まず大原則として、英語論文をいきなり読まずに、日本語論文から読み始めましょう。

なぜなら、いきなり英語論文から読み始めると、英語の翻訳と翻訳された日本語の意味調査を同時に行わなければならないからです。

基礎知識を知らないで英語論文を読むと、「わからないスパイラル」に陥り苦手意識を持ってしまいます。

そこで、まずは基礎知識を日本語で習得することで頭の中を整理しておくことがポイントです。

 

3. 英語論文の中でも、”レビュー論文”をまず読む

日本語でまとまった知識が得られれば、次はそれに対応するような英語のレビュー論文 (研究に精通した研究者が過去の先行研究を総括した論文)を読むようにしましょう。

はじめは論文の見分けもつかないと思うので、先輩や教授などに相談するのがおすすめです。

自分よりも知見がある方からのお勧めということで間違いはないですし、勉強熱心であることをアピールできるチャンスでもあると思うので、ぜひ積極的に頼ってみてください。

レビュー論文を手に入れたら、次にあなたがやるべきことは「英単語の意味をあなたの基礎知識とひたすら照合する」ことです。例えば、以下のような感じ。

余計な信号 →  Spurious signal

再生医療 →  Regenerative Medicine

共振器 → cavity

上記のように英単語と日本語のすり合わせができてくると、徐々に英語論文を読むスピードが上がっていきます。そして、英語で立ち止まらずに論文の内容に集中することができるようになるはずです。

 

4. 自分の研究テーマに近い論文を読む

いよいよあなたの研究テーマに関する最新論文を読んでいきましょう!

そして、ここでも初めのうちは先輩と教授に頼り、おすすめの論文を教えてもらいましょう。

先輩や教授は頼ってナンボなので、学部生のうちは頼りまくるのがおすすめです。

 

5. 読んで学んだことを簡単にメモしておき、ジャンル毎にファイル分けする

次に、読みっぱなしにしないよう論文の空いているスペースに書いてあることを簡単にまとめておきましょう。

まとめることに時間が取られるかもしれませんが、自分の頭を整理する。さらには読み返した時に忘れていてもすぐに見返せる。といった点でその効果は絶大なので、おすすめです。

そして、読み終わった論文は、大まかなジャンル毎に分けてファイルに閉じておきましょう。

これをすることで、見返したい時に論文を探し出すまでの時間を短縮できます。

これが論文を読むための英語勉強法の一通りのプロセスとなります。

 

6. ひたすら論文を読みまくり、数をこなす

自分の研究テーマに近い論文が読めれば、あとは数をこなすだけです。

多くの論文を読むことで、各研究のオリジナリティや世界の研究機関の関係性、よく使われる英語の表現などがわかってくるようになります。

これを身につければ、自分が国際学会に参加するときや論文を書くときに必ず活きてくるはずです。

 

7. 自分の研究がある程度進んだらまとめた論文を見返し、復習する

最後に、1-6の手順に加え、自分の研究がある程度進んだ時点でまとめた論文を見返し、復習することを行うようにしてください。このひと手間が、最も重要です。

それはなぜかと言うと、理解が深まった状態で復習することで、一度読んだ時に気づけなかったことや自分の研究との違いを、明確に出来るからです。

この復習をすることで、自分の研究の意義を再確認でき、学会や就職活動等で外部の人に向けて自分の研究を話す時にも、わかりやすく伝えることができるようになります。

以上が、私が伝授できるコツになります。至らない説明もあったかもしれませんが、これを読んだ方の英語を駆使した研究活動が益々発展していくことを願っています!

また最後に、生の英語に触れられるコンテンツ、英語の勉強法が記されたおすすめ本をまとめておきます。

科学論文の検索

1. Web of science

http://apps.webofknowledge.com

2. Google scholar

https://scholar.google.co.jp

 

科学ニュース

Scientific America

https://www.scientificamerican.com

TED talks : 世界の著名人による講演をまとめた動画サイト

https://www.ted.com/#/

 

詳しい勉強法が記された本

「一生モノの英語勉強法」 著者:鎌田 浩毅、吉田 明宏、出版社:祥伝社 https://www.amazon.co.jp/一生モノの英語勉強法-祥伝社新書-鎌田浩毅-ebook/dp/B010LYGAZI

英語学習の新定番!スタディサプリ ENGLISHもおすすめなのでご覧になってほしい。